映画「最高の人生の見つけ方」で、ジャック・ニコルソン演じる大富豪が淹れる最高級コーヒー「コピ・ルアク」。インドネシア語で「コピ」はコーヒー、「ルアク」はジャコウネコを意味します。
このユニークなコーヒーが物語のキーアイテムとなっていますが、それを彷彿とさせる名前を冠したカフェが横浜にある『Cafe Kopi Kan(カフェ・コピ・カン)』です。
『Cafe Kopi Kan』は、インドネシア産のコーヒー豆を専門に扱うロースタリーカフェ。「Kopi」はコーヒー、「Kan」は館と柑橘の「柑」を掛け合わせています。
ヘッドロースターの福井さんに、カフェの特徴やインドネシアのコーヒーの魅力についてお話を伺いました。
インドネシア産コーヒー豆専門のロースターは珍しいですが、どういうきっかけでオープンしたのでしょうか?
「実はこのカフェの運営元は高知県の文旦農家『岡林農園』というところなんです。岡林農園は六次産業と言って農作物の生産から加工・流通までを行っていまして、このノウハウを広めるためにJICAと協働しインドネシアからの研修生を受け入れていました。その交流から、インドネシアの農作物を取り扱う話が持ち上がり、インドネシア専門のコーヒー豆を販売することになりました。」
インドネシアのコーヒーといえば、冒頭の「コピ・ルアク」や、独自の精製方法「スマトラ式」が有名ですが、『Cafe Kopi Kan』ではウォッシュドやナチュラル、ハニープロセスといった他の精製方法の豆も取り扱っています。「スマトラ式以外の豆もインドネシアのポテンシャルを感じる素晴らしいものばかりです。一番人気はレッドハニーです。」と語ります。
先日おすすめされレッドハニーを試飲しましたが、華やかな香りと滑らかな口当たりが印象的でした。インドネシアのコーヒーといえば深煎りが多いのですが、ぜひ浅煎りや中煎りも試してもらいたいと思います。
ところで、どういった経緯で福井さんがコーヒーの道を選んだのでしょうか。
「大学時代にオーストラリアへ留学し、カフェ文化に惹かれて帰国後にロースタリーカフェでアルバイトを始めました。それまでは教師を目指していましたが、コーヒーの道に熱意を感じて進むことを決めました」と福井さん。当初、愛知県のカフェでアルバイトをしていましたが、県外での仕事を探していた際、岡林農園がインドネシア専門店をオープンするためのスタッフを募集していることを知りました。」
「オープニングに向けて、Philocoffea(2016年のWorld Brewers Cupでアジア人初の優勝者である粕谷哲氏が運営するロースタリーカフェ。国内外のセミナーにて講師やファミリーマートのコーヒー監修でも知られる)にて研修を受けられる点に惹かれて応募しました。粕谷さんの指導のもとで焙煎技術を学び、オープン時は店長としてお店を任せてもらえました。」
現在はヘッドロースターとして焙煎し提供するコーヒー豆のクオリティに責任を持っている福井さん。取り扱うインドネシアのコーヒーの特徴については、「ガヨマウンテンの豆は果実感が豊かで、浅煎りや中煎りでその個性を最大限引き出しています」と福井さん。また、深煎りがお好みの方にも対応しているとのことです。
また、福井さんは「横浜のコーヒーカルチャーをもっと盛り上げたい」とも。「人口の多い横浜ですが、東京都比べてまだコーヒー文化が十分に浸透していないと感じるんです。今後は競技会への参加を通じて個人としての知名度を上げつつ、地域の発展に貢献したいですね」とも。
横浜では近年有名ロースターから独立して店舗を構える人が増えており、今後の発展が期待されます。
Cafe Kopi Kanは、インドネシアの魅力あふれるコーヒー豆と共に、横浜のコーヒーカルチャーを盛り上げる存在です。ここでしか味わえないインドネシアのコーヒーを体験しに、Cafe Kopi Kanへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
【店舗情報】
Cafe kopi kan
住所:神奈川県横浜市南区宿町2-35-2アリエッタ蒔田101
営業時間:9:00-18:00
定休日:なし
席数:店内12席、テラス8席 (ペット可、ベビーカー置き場あり)
駐車場:なし
価格:500円~
サイト:https://kopi-kan.com/
Instagram:https://www.instagram.com/cafe_kopi_kan/
※最新の営業時間等は店舗に直接お問い合わせください。