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珈ノ鳥

静岡県の伊東市の川沿いにある小さなコーヒースタンドが”珈ノ鳥”です。温暖で観光地としても名高い伊東市の中心部からほど近く、地元の方のほか観光客の方の姿も見え、伊東の顔の一つとなっています。

元々は神奈川県の逗子に住んでいたオーナーである桑名さんに、どういった経緯で伊東にコーヒーショップをオープンされたのかお話をうかがいました。

まず、コーヒーとの出会いはどのようなものだったのでしょうか。

 “コーヒー自体は身近にありましたが、まったくこだわりがなくてずっとインスタントコーヒーを飲んでいました。きっかけは大学二年生の時にもっと美味しく飲む方法がないのだろうかと調べたところ、どうやら豆から挽いて飲んだほうがよいということだったので、そこから豆を買ってドリッパーで淹れて飲むようになりました。そのうち大学時代の友達がコーヒーを飲みに遊びに来るようになり、コーヒーを振る舞うことの楽しさを知りました。”

インスタントコーヒーもずいぶん美味しくなったと思いますが、豆から挽いて飲むコーヒーのほうがはるかに美味しいと思います。その後、コーヒー関連の仕事を始めたのでしょうか?

“最初はドトールコーヒーでアルバイトをしていました。アルバイトを通じてコーヒーって良いな、と感じ、大学卒業後はUCCへ就職しました。店舗に配属され、上島珈琲店の店長として働いたり、またハンドドリップの研究を個人的に始めていて、ハンドドリップチャンピオンシップへの参加をしたりと、コーヒーについての知識や経験を深めていましたね。6年ほどUCCで働いたのち、自分でカフェをやりたいと思い退職して、別の分野の勉強もしたいと鎌倉のカフェで働き始めました。

 

開業資金をためつつ、バリスタとしてUCC時代は経験できなかったエスプレッソやラテアートの経験を積んだという桑名さん。焙煎についても、手回しの直火焙煎を採用しており焙煎経験も積むことができました1年ほど鎌倉で働いたのち、オープンに向けて本格的に動き始めます。

 

“まずどこでオープンするのか考えましたが、観光地として有名な鎌倉よりももう少しのんびりしている場所が良いなと思い、地方に目を向けました。そんな時、たまたまテレビで伊豆半島特集が放送されていて、伊東が映っていたんです。学生時代に一度観光で伊東に行ったことがあったのですが、その時は良い思い出しかなく。住んでいる逗子からも2時間ほどで行ける距離なので、思い立って実際に足を運んでみたら観光地ではありますが鎌倉ほど人でごった返すこともなく、また住んでいる人も優しくて。そのまま伊東でお店を出すことに決め、移住しました。”

テレビがきっかけで移住まで踏み切られるとは。

私も観光で伊東に行ったことがありますが、温暖でのんびりしていてとても心地よい時間を過ごせました。近くにはジャボテン動物公園や城ヶ崎海岸などのスポットもあり、そこにスペシャルティコーヒーの専門店があるのは個人的にもうれしいですね。

伊東エリアにはあまりスペシャルティコーヒー専門店が無いということもあり、店舗を構えたかったのですが実店舗は少し先を予定していました。最初はオンライン販売やイベント出店を通じて名前を覚えていただいて、それからキッチンカーを購入して定期的に出店し、同時に資金をためて最終的に店舗を持てればいいと思っていました。予定通り、移住後まずはオンライン販売から始め、自転車で商店街の空きスペースなどで販売するという活動を1年ほどしていました。

その時から”珈ノ鳥”という名前で活動されていたのでしょうか。

“そうですね。僕が手掛けたコーヒーが届いたところに幸せを呼んでほしいという想いから名付けました。最初から珈ノ鳥として活動できてよかったと思います。イベント出店を続けている中、伊豆高原にある元カフェの居抜き物件をお借りできることになり、そこで間借り営業を1年ほどさせていただいたんです。自転車でのイベント出店と間借り営業で、徐々に珈ノ鳥の名前が浸透していってうれしかったですね。


自転車でのイベント出店と間借り営業を続けながら、次のステップであるキッチンカーを購入するための資金をためていた桑名さん。そのころ、たまたま散策していた時に今の店舗がある物件が目に飛び込んできました。

“いい場所に物件があるなあ、と思ったらテナント募集の張り紙があったので、さっそく大家さんに連絡をしました。ありがたいことに大家さんが僕のことをコーヒーを売っている人だよね、と認識してくださっていて。何度かやり取りをして、ぜひお願いしたいと言っていただけました。”

 

そのまま、キッチンカーではなく実店舗を持つことになった桑名さん。ただ開業資金が不十分で、内装などはご自身の手で行い、2023年の1月に珈ノ鳥がオープンしました。

 

“土日は観光地ということもあり、ほとんどが観光客のお客様がいらっしゃいます。平日はイベント出店や間借り営業時代から知っていただいているお客様を中心に地元の方が来てくださいますね。コーヒー豆は浅煎りから深煎りまで常時6から7種類ほどは用意していますが、ぜひ浅煎りのおいしさを知ってほしいと思い少し浅煎りを多めに用意しています。

 

丁寧に桑名さんが焙煎した個性的なコーヒーは同業者からも一目置かれ、県外から足を運ぶ方もいらっしゃるほど。

 

最後に、今後の展望について伺いました。

 

伊東でコーヒーショップをもっと増やしていきたいと考えています。自分自身移住して何もないところからやれているので、伊東ならコーヒーができるかも、と思えるようにコーヒーカルチャーを広めながらお店も増やしていけたらなと思っています。いつか伊東でコーヒーフェスティバルがやれたら最高ですね。”

 

JR伊東駅へは東京駅から新幹線を経由して1時間30分ほど。東海道線を乗り継げば2時間30分ほどで行けるため、アクセスのよい観光地と言えるのではないでしょうか。

珈ノ鳥をきっかけに伊東の地にスペシャルティコーヒーが花開けばよいと思います。

 

【店舗情報】

珈ノ鳥

住所:静岡県伊東市松川町1-22 えんビル1F
営業時間:11:00-18:00
定休日:火水
席数:約4
駐車場:なし
価格:500円~
サイト:https://coffeenotori.stores.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/konotori_coffee/

※最新の営業時間等は店舗に直接お問い合わせください。

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